死に物狂い

他人から影響を受けやすい人間のフィクション日記

『Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -~ PART Ⅰ Start It Up, ~』千葉市原市民会館(昼の部)に行ってきました(あるいは市原市紀行)

【前段】
 6/15の夕方だったか、特にいつもと変わりなく仕事に取り組んでいた私はふとスマホを見た。通知画面には「わぐらぶメルマガ」の文字。なんじゃいな、ツアーの情報か何かかなとタップすると、「解散」の二文字が目に入ってきた。何を言っているのかよく分からない。人間というものは自分の理解できない事象に遭遇すると、全くもって状況を把握できないほどに知能が下がるんだなということを、図らずも思い知らされることとなった。数秒間考えた後、私の脳は「今詳細を確認するべきではない」という結論に至った。さもなければ、この後間違いなく仕事にならないからである(とはいえ、この時点で既に仕事に対する集中力は0に等しかったのだが。)。全く心穏やかでないままにようやっと終業時刻を迎えた私は、帰りの道すがらメルマガとネットニュースの内容を読み、現状を理解した。WUGちゃんが今年度をもって解散するとのことである。

 脳に情報が行き渡った段階で最初に思ったのは、「絶妙なタイミングでファンになってしまったな」ということであった。ウキウキでグリフェスの記事を書いたのが約1ヶ月前のことである。自分の中で「WUGちゃんのファンだ」と言えるようになったなと思った矢先のことだった。こういうものはご縁の問題であって、私のような境遇の方は(ネットを見る限り)それなりにおられたようである。一義的には仕方ないなと思いつつも、もっと早く出会えればよかったという後悔と、それこそ奥野さんの言葉を借りれば「勿体ないな」という感想を抱いた。

 解散の理由は「個々の道を歩んでいくことが、さらなる成長に繋がる」との結論に至ったためということであり、また板垣監督曰く本件に係る話合い自体はもっと過去からあったとのことである。なぜなのかと疑問に思う心はあるが、発表されている結論が全てなのであって、どんな話合いがあったのかを推測するのは野暮であろう(そもそも知りようがない。)。要は一つのユニットが、自身の役割を果たし終えるときが来たということなのだ。活動休止ではなく解散という形をとったのは、各人の覚悟の現れであるようにも思える(エイベックス的に休止という選択肢は存在しないのかもしれないが)。いずれにせよ、このようなときにファンだけが置いてけぼりをくらうようなことになってはいけないのだと思う。彼女たちが悩みに悩んで重い決断をし、前に進もうとしている。それを尊重しよう、などという高尚な態度をとりたいわけではない。ただ単に私は彼女たちを応援したいだけである。努力と才能の塊である彼女たちが、より高いステージへ上がってくれたらそれほど嬉しいことはない。しかし女々しいことを言えば、そうしてメキメキと力をつけた後に、願わくば、Aice5ばりに再結成を食らわせてくれたらなあと思う。とすれば、一ファンとしてやるべきことは、まさしくWUGちゃんたちにとってのHOMEであることろの、コンテンツとしてのWake Up, Girls!の火を絶やさないようにすることだろう。そのために何ができるかはよく分かっていないけど。

 しかしながら、よくよく考えると↑のような話は今時点でするものでもないようにも思います。というわけで、「Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -」におきまして、千葉県・市原市市民会館で開催された7/13(金)の公開リハーサルおよび7/14(土)昼の部に参加してきました(ライブの内容に言及するため、ツアーのネタバレが含まれます。閲覧頂く場合はご注意ください。)。*1

 【公開リハーサル】
〔会場までの道のり〕

  当日まで真剣に考えていなかったのですが、市原市市民会館は思っていたより遠かった。最寄り駅である五井駅までは特に不自由なく電車で来れたものの、駅からが一苦労。Google曰くバスで移動せよとのことでしたが、私が駅に到着したときにはすでにワグナーさんたちによる(それなりに)長蛇の列が出来上がっていたため徒歩で会場まで向かうことにしました。
 歩き出してから改めて経路確認すると、約40分との試算。距離的にはまあ大丈夫だろうと思ったのですが、歩いていくにつれ、史上稀に見ないとまで評された暑さが身体を襲いました。何せ日陰がまったくない。広い道路と田んぼと送電線が織りなす風景に、関西民としてはどことなく兵庫県三田市っぽさを感じつつ*2、途中でアリオ市原の巨大さに圧倒されながら、ゆっくりと市民会館へ向かいました。日傘がなければ危なかったでしょう。ただ、天気自体は快晴も快晴。スタートにぴったりな雰囲気だなあと感じました(汗だくになりながら)

〔会場・物販〕
 水を片手に無事に到着したときにはすでに入場列が形成されていました。平日の昼間だというのに人・人・人。自分も含め、意外と予定はなんとかなるものですね。会場の中と外では10度以上気温差が感じられ、今まで歩いてきた世界は一体何だったのかとため息をついた後、特典の入場パスを片手に物販へ。相も変わらず事前に商品を確認していないので現地でカタログを拝見。すでに諸々売り切れが出始めていましたが(特にリボンチャームは全種類だったか)、ペンライト・Tシャツ・タオル・パンフを無事に購入。個人的には、ビブスを見てそういう文化があるんだなとビックリ(サッカーのイメージしかない)。どうやらステージの方が涼しそうだったので、早々に自席へ向かいました。

〔リハーサル開始〕
 最初にわぐらぶ運営の方が登場。「最後にわぐらぶ仕事しやがって、みたいに言われてますが…」と一言。新参的には「そんな評価だったの?」と運営側の苦労を偲んでいるところで舞台監督さんとWUGちゃん7人が舞台へ。衣装姿ではなく、ツアーTシャツにWUGジャージという出で立ちでリハーサル感を醸成していました*3

 リハーサルは数曲をワンコーラスやフルコーラス織り交ぜながら行われ、逐一イヤモニの音量や立ち位置、振り付けの確認をしていきました。普段のリハがどんなものか知らないのでなんとも言えませんが、イメージに浮かぶリハ風景を見れたのではないかと思います。ちょいちょい間違えたり、皆で再確認したり、そういうのを重ねて本番100%以上のパフォーマンスを発揮されるんでしょう。

 WUGのライブBDを観て思ったことの一つに「レッスン風景とか舞台裏とか特典で入れてくれればいいのに」ということがあり、そういうところはわぐらぶで補完されているのかと思ったらそういうこともなく(これまでにも4thBDの特典と同様のものがあったのであれば恐縮ですが)、「まあ考え方の問題だから仕方ないか」ぐらいに考えていたのですが、この日リハを見たことによって「やっぱりこういう映像もっと見たい!!!」と思ってしまったのは欲張りでしょうか(5th映像化の際にはよろしくお願いいたします。)。

 この日客席にいるのはすべてわぐらぶ会員であるはずなので、解散の件についても言及があるのかしらと思っていたのですが、結果的にはリハ全編を通してノータッチ。なるほど、WUGちゃんはそういうスタンスでツアーに臨むんだなと。ならばこちらとしてもそれに応えなければならんなと思っている間にリハが終了しました。改めて考えると、この日を経験した人にとっては、むしろライブ当日の驚きが大きかったのではないでしょうか(そんなん聞いてへんで! みたいなことが多かった)。高まるワクワクに独り胸を躍らせつつ、歩いてきた道をまた歩き、ホテルへ向かいました(行きよりは涼しい気候)。


【ライブ昼の部当日】
〔再度会場へ〕
市原は今日も暑かった。前日と同様に五井駅から徒歩を決行。天気予報が「マジで熱中症気をつけろよ」と真剣に注意喚起をしていたので、1Lの水と塩飴を懐に入れ、会場へ向かいました。途中でレンタサイクルを利用しているワグナーさんに追い抜かされ、なんて頭がいいんだろうと頭を抱えつつ、しかし昨日よりは足取り軽く進んでいきました。

〔会場〕
 よくよく考えたら連チャンでのライブ参加は初(もといこれがWUGの生涯二回目のライブ参加なわけですが)だったため、二日連続で同じ場所に来ることに若干不思議な感覚を覚えながら入場。昨日はなかった色とりどりのフラワースタンドを写真に収めた後、自席へ向かいました。

 ステージに入るとジャジーな音楽が流れていて、今までのライブにはない雰囲気。途中でTank!が流れたときには会場がざわめき*4、フィナーレとともに会場には拍手が。間もないうちに聞き覚えのある声でナレーションが始まる。担当されているのはなんと山寺宏一さん!!! 山ちゃんだ! ジーニーみたい!!! と驚きが止まないうちにカーテン越しに7人のシルエットが映し出されもう何だか分からない*5。幕が上がり始まるのは『SHIFT』!!!!! 初めてサクラ大戦の『ここはパラダイス』(武道館のやつ)を観た時の衝撃、いや厳密にはそれ以上の衝撃を受けました。エンターテイメントや! 何かすごいエンターテイメントが始まったで!!

 きらびやかな舞台装置と、7人の衣装が相まって本当にステージ上は別世界を形成していました。現実だけど現実でない。まさにステージ。この時点でもう今日は来てよかったなと思いましたし、何だったらこれ以降のツアーも何が何でも行くからなと強く決意しました。
 それにしてもこの日がライブ初披露のはずなのに、当たり前のように「レッスンレッスン!」のコールが鳴り響くところで顔が綻びました。しかしその後はもう笑い泣き。初めて聞いたときから絶対ライブで映えると思っていたんですこの曲。だってミュージカル調なんですもの、楽しいに決まっているじゃありませんか。鍵を探す場面なんて最高のはず。そう思って今か今かとその時を待っていたら、みんなが客席まで鍵を探しに来るという演出。目の前を満面の笑みで高木さんが通り過ぎていき、無事に鍵を発見されました。何だこの天使。

 興奮冷めやらぬ中、舞台上で衣装チェンジが行われ流れるように暴君。繋ぎの演出もとてもかっこよく(観客の勢いをチャージさせる感じ甚だしい)、いつもどおりコールを入れるタイミングを忘れ(テンポが早くてついていけない)、高木さんのスピン(ターン?)は美しく、あわあわしている間に地下鉄ラビリンスが始まる。一番好きな曲なんですが、グリフェスでは聞けなかったためやっと聞けた感が強く、(三曲目なのに)テンションが最高潮。何が好きって曲も好きだしダンスも好き。ななみんの「ごあへ~」もroundの掛け合いも最後の一人づつ反転するところも全部好き。生で見れてよかった……。いつの日か生バンドでやっているのを聞きたい……そんな日が来てほしい。

 個人的に感情がしっとりしたところで、I-1曲が二曲が続き、高木さんソロ『Non stop diamond hope』からのキャラソンメドレー。過去のBD観ててもいつも思いますが、メドレーにするの勿体なく感じますよね。仕方のない点だとは思うのですが、そういうのはソロイベで回収してきたのでしょうか。吉岡さんの番でなかなか出てこないなあと思ってたら客席側にいて「そんなんリハでやってませんでしたやんか!(青山さんも)」と驚きながらも笑ってしまった。

 『シャリラ!』が終わるとすぐに『セブンティーン・クライシス』が始まり会場が異常な熱気に包まれました*6。隣の兄ちゃんが踊りだす。みんなも踊りだす。なぜこの曲は人をこんなにも狂わせてしまうのか。メロディか、由来か、歌詞か。本当に何なんでしょうかと思いながら自分も声を出す。最後の切り札感がある曲だなと感じました。出せば勝てる、でもしっかりとしたところで出したいみたいな。地下鉄ラビリンス、セブンティーン・クライシスとくればプラチナ・サンライズもあるのではないかと思いましたがハズレ。どこかで聞けたらいいな。

〔リーディングライブ〕
 またの名を朗読劇。各会場で1話ずつ進めるらしい。人が何かを演じている姿は輝いて見えるなあと思います。演劇であれ、このような朗読であれ、感情がこもっている(こめられている)姿に惹かれるのでしょうか*7。人間の持つ迫力に圧倒されるのかもしれません。言葉にするのはいつも難しいのですが、
舞台に続いて役者の力を見せつけてくれました。

 第1話が終了すると一本の映像が流れ始めました(ここらへん泣いていたので正直順序が曖昧なのですが)。リハの流れからして、解散のことには触れないと思っていたものですから、その意味では不意打ち。方方からすすり泣く音が聞こえてきて、それがさらに涙腺を刺激しました。ファン歴2ヶ月ちょっとの私ですらこんな気持ちなのですから、多勢を占めるであろう、私よりも長くファンをやっている方々の感情は想像に容易い。しかしそんな単純なものでもないのでしょうか。泣きながらそんなことを考えました。

〔ライブ再開〕
 映像が終わってからはさらに時間の進みが加速したように思います。一曲ごとにみんなの元気が回復していく感じがしました。『ワグ・ズーズー』では再度メンバーが客席へ! 目の前で奥野さんが踊られていました。何だこの女神。

 私もアンコールを迎えることにはすっかり回復していたというか、「そうはいっても仕方がないからやることやろうや」という感情でステージ上を見ることができました。WUGちゃんが前を見て生きているのだから、やっぱり私も前を向かなければならないのです。One In A Billionも僕フロも7Sensesも、アンコールに選ばれたのはそういうことなんじゃないんでしょうか。だから残りのPart1,2も元気に参りましょう。大丈夫、チケットはある。あとは仕事と渡航費の問題だけだ。

〔その他〕
・本当に解散するんですか?
・WUGが解散すること自体も寂しいのだが、この七人の関係性を見ることのできる機会が少なくなってしまうことが寂しいんだなと思った。
・七人の関係性を見ることのできる機会が少なくなってしまうことも悲しいのだが、舞台に立つ七人を見ることが少なくなってしまうことが寂しいんだなと思った。
・近くで見て思うが、みんな遠くで見るより小さくてかわいい(言葉がおかしい)。
・まゆしぃの演技をもっと見たい。非東京民のつらさ。
・あいちゃんには笑っていてほしい。
・みにゃみはどんどん遠くに行ってしまう感じがする。
・よっぴーの歌をもっと聞きたい。キャラではなく青山吉能の。
・ななみんの宣言は力強かった。ああいうことを真っ直ぐ言えるところ尊敬。
・かやたんってなんで舞台上だとあんなに大きく見えるんだろうね。近くで見て余計にそう思った。
・みゅーちゃんのエネルギー爆発感。見てるだけで元気をもらえる人だなあ。
・解散発表以来何だか悲しくなるからWUGの曲を聴けなかったのだが、この日をもって復活できた。
・これでオーラスのチケット外れたら笑うに笑えないですね。
・スタンプカードは無事持参を忘れました。
・ライブの帰りにゲマズの衣装展に行ってきました。過去のパンフを買い占めた(抽選は外れた)。
 →在庫あるならわぐらぶで再販してくれればいいのに。
・舞台BD化!!!!!! やった!!!
・ファンミーティング当たったので行きます(両日)
・アルバム再レコーディングとかしてくれんかな。スケジュール的に無理か。集大成みたいな形でどうでしょうか。

 

*1:と言いつつ、大体泣いていたので前後関係が怪しいところがあります。

*2:もとい郊外都市は大体そういうものか

*3:個人的には普段の練習着姿だったら、よりプレミア感があったなと思っている

*4:今思えばこれも伏線だったのか

*5:さらっと永野さんの出身大学も確定する。

*6:リハで流れは分かっていたんだけれども

*7:WUGちゃんに限った話ではなく