死に物狂い

他人から影響を受けやすい人間のフィクション日記

私はFANTASIAに何を見たかーWake Up, Girls! FINAL TOUR -HOME- ~ PART Ⅱ FANTASIA ~ 大阪公演に参加してー

〔前段〕 

 Wake Up, Girls!に剣と魔法の世界、ありました。勝手な想像で、WUGにはファンタジーなぞ似つかわしくない、脈絡がないなど妄言を放っていたオタクはどこのどいつでしょうか。全くもって嘆かわしい。タイトルも間違えているし、反省してもらいたいものです。本当にすみませんでした。

 

 というわけで、10月6・7日に岸和田市浪切ホールで行われた、 Wake Up, Girls! FINAL TOUR -HOME- ~ PART Ⅱ FANTASIA ~ 大阪公演に参加してきました。WUG史上初めての2Days 4公演ということで、果たしてどんな夢を見せてくれるのか楽しみに行ってまいりました。個人的に初の地元開催ということもあいまって、これまでにない期待感の中当日を迎えました。以下、毎度のごとく長文かつライブ内容のネタバレを多分に含む記載となっておりますので、読んでいただける場合にはその点予めご了承いただければ幸いでございます。(時間軸も自信ありません)

  

〔道程〕

 吉岡さんが言っていた通りで、北大阪の人間からすれば南大阪は別世界であるかのように感じられ、実際のところ行く機会もないもんですから、同じ大阪とはいえ岸和田は未知の領域。そもそも南海電車に乗ること自体、高野山に行く以外でなかなかないですし、岸和田までの所要時間があれば名古屋ぐらいまでは行けてしまうところ、近くて遠い岸和田、もとい南大阪。図らずも大阪南北の断絶を感じました(知らんけど)。

 

 岸和田駅に着くと、すでに台風一過であるかのような天気と気温。もちろん温度的には夏と比べてだいぶましになったとはいえ、その雰囲気からまたもやあの市原公演の道のりを思い出さずにはいられませんでした。とにかく暑い。秋などなかった。

 

 駅を出て、上空の屋根から雨水が滴り落ちてくる商店街を雷平原を通るかのように歩き、10分ほど道のりに進みましたら本日の会場である浪切ホールに到着しました。外見からしてすでに荘厳であり、毎度言っていますが、こんなにも立派な施設を地域の会館として所有している自治体、非常に羨ましい限りです。

 

〔入場〕

  前回はジャズがBGMで流れていましたが、今回会場に入ると聞こえてきたのはゲーム音楽。 この瞬間、「ファンタジーってそっちか」と膝を打ちました。私が聞いたのは全て旧スクウェア時代の楽曲であったと思いますが、この後のファイナルツアークエスト2がドラクエオマージュであることからすれば、その布石だったのかもしれません。

 

 開演時刻近くになると、それまでのSFC音源から一変、ケルト風味のカッコ良いファンタジックな音楽が流れ始めました。Part1と同様、ワグナーさんたちはこれにクラップで対応。ところでこのクラップは公演を経るごとに統制が取れていき、だんだんと練度が上がっていったのですが、今回の大阪公演は全体的にそういう部分が多く、4回の公演を通して、Part2の基礎部分を演者とファンで作り上げていく実感を持てた、非常に良い時間でした。ちなみにこの曲のタイトル、どなたかご存知であれば是非とも教えてください。

 

〔開演〕

 音楽終了とともにワグナーが立ち上がるも、紗幕にオープニングムービーが映し出されたためまた座る。「おっ今回はこう来るのか」みたいな空気に包まれつつ、世界観の説明が始まります。悪しきドラゴンによって支配された完結してたはずの世界を救い、想像力の力を人間に取り戻すため、一国の王が8人の勇者を探すよう、妖精を送り出したらしい(曖昧な記憶)。 そして、スキノスキルでライブの幕開けです。とはいえ紗幕は上がらず、そのままファンタジックな映像が映し出され、その後ろでWUGちゃんたちが踊るという格好でした。間接的なプロジェクトマッピングという例えが適切かはわかりませんが、WUGちゃんのダンスにあわせて映像も動きます(逆とも言える)。これは2階正面から見ると非常に綺麗で、Part1もそうだったのですが、純粋に演出と舞台効果を満喫するのであれば、1階よりもむしろ2・3階の中央付近の席が鑑賞に適していると感じました。浪切ホールの作りとして、2・3階席でもそこまでステージから距離がなかったのも良かった。

 

 設定的にスキノスキルを踊っているときのWUGちゃんは、先程送り出された妖精であると認識していたところ、紗幕によってWUGちゃんの姿が若干ぼやけた感じになるため、これもまたファンタジー感、妖精感を醸成しているように思いました。妖精って実体がよく見えないイメージがあるのですが(ゼルダのナビィ的な意味で)、まさしくそんな感じ。動きはわかるけどはっきりとは見えない。また映写角の都合上、紗幕の最下部に、客席最前列のワグナーさんたちの影が写っており、 映像の世界に私たちワグナーも存在しているように見える一方、 我々はあくまでも映像の外側にいる聴衆者であることを明示されているようにも思え、そこの相反する感じが非常に面白かったです。

 

 ところで、青山さんが「女の子は強くなれる」のところで、波動拳かめはめ波を打っていたのですが、あれは舞台上が見えづらいことを利用したアドリブでしょうか。気になります。

 

〔ファイナルツアークエスト2〕

 スキノスキルが終わると、非常にドラクエライクな映像が始まりました。まゆ・よしの・ななみ・かやの4人パーティでドラゴンを倒すべくの冒険が始まります。ドット絵でひたすらに手間かかっているなあという印象。色々小ネタが仕込まれているのですが、気になったことを羅列すると

 ・どくげしいそうって何ですか。

 ・伝説の剣よりも健康器具が高価なのはなんでだろう。

 ・ 取得経験値は同じなのに、途中でかやが他メンバーよりもレベルが高くなるのはなんでだろう。

 ・初っ端から10万ゴールド持ってるって金持ちやな。

 ・道中の諸々の数値にも意味があるのかと考えてしまうがよくわからない。

 ・音楽が良い。

 ・しびれをきらしてしまうまゆかわいい

 ・一撃で死んでしまうよしのかわいい

 ・ 眠っていてついて行くのが遅れるななみかわいい

 ・ ドラゴンによる地響きにひるむかやかわいい

と色々ありましたが、何にしても丁寧な作りに感心しました。

 

 そうこうしてラスダン前。ドラゴンを倒すには8人の力が必要とNPCに言われつつ、4人で戦い最後の戦いに臨みます。

 

〔ドラゴン討伐〕

 ドラゴン(ヤマタノオロチ的)との戦闘が始まり、『outlander rhapsody』のイントロとともに紗幕が上がるとそこには剣を持ったパーティ4人の姿。そしてヘッドセットマイク!!(興奮) スキノスキルがゲームのオープニング曲なら、こっちはラスボス戦のBGMといった装い。剣を振って懸命に戦うも、4人では歯が立ちません。そこに現れたのは3人の勇者。しかしそれでも強大な敵を倒すには力が足りない。やはり8人目の力が必要だ。しかし8人目とは誰か。私たちワグナーなのでした。「いくぞ! がんばっぺ! Wake Up, Girls!」の掛け声でWake Up, Powerを送ると、7人の剣にそれぞれの色の光が宿りました。この光景、まさに魔法剣です。

 

 この剣が非常に、素晴らしく格好よく、とにかく映えるのです。原理的にはポケモーション(古い)とフリフラ(古い?)とを組み合わせた感じでしょうか。剣を素早く振ると、それぞれ人によって違った模様(山下さんはハート、田中さんは星といった具合)が空中に浮かび上がり、また音楽に合わせて剣が脈動するんですね。発色自体鮮やかで、手に持っているだけでファンタジー感が増す。ひと目見ただけで「高そう…」と感じられる。剣を持った7人が円形になるところ、ファンタジー映画の1シーンかと思いました。やっぱ円形っていいな。

 

 ただ、この模様はおそらく観客と剣の光が並行にならないと見えづらい(もしくは見えない)ため、使い方が難しそうです。高木さんが仰ったように、公演を通じて練度を高めていっていただければ嬉しい。

 

 そうして強力な武器を手にした7人は無事にドラゴンを討伐。ラスサビの手前で、7人が剣を振り下ろし、ドラゴンをぶった切るんですが、この場面4公演とも泣いてしまいました。多分ここは感動ポイントではないと思うのですが、何でしょうか。プリキュアが勝利したときの幼児の感情でしょうか。それとも一連の演出を見られたことへの感謝の涙でしょうか。もしくは全員で戦ったことに対する達成感かもしれません。

 

 戦いが終わると世界に光が差し始め、青空が広がりました。WUGちゃんたちはさっきまで振るっていた剣をマスターソードの如く台座に突き刺し、代わりにマイクを拾い上げ、『リトル・チャレンジャー』が始まります。これは冒険のエンディングテーマなのかなあと思いました。剣をマイクに持ち替えるのが一つ象徴的な行為で、8人の活躍によって凶悪は去り、もはやこの世界で剣を振るう理由はなくなった。そのかわりに、想像の力のアイコンであるマイクを手にして、新しい世界での一歩を踏み出していく……みたいな。そしてリトル・チャレンジャーは、想像の力に溢れる新たな世界で力強く生きていこうという意味で、新たなステージへ進むオープニングテーマも兼ねているのではないでしょうか。

 

 あるいは、このスキノスキルからリトル・チャレンジャーまでの流れは、私たちの過去を映し出したものと言えるかもしれません。今私たちのいるこの世界、具体的に言えばWUGちゃんと一緒にライブを作り上げられるこの時間があるのは、過去にこういった戦いがあったおかげということです。私たちワグナーは、太古の昔に実際WUGちゃんとともに戦い、勝利した。そしてその時のご縁が今も続いている結果、こうした素晴らしい時間を共有できているのかもしれませんね。何の話だ。

〔I-1 Club曲〕

 リトル・チャレンジャーでストーリーに一つの区切りがついたと解するならば、続くI-1曲は、新たな世界で想像の力を発揮するにあたっての苦悩を描いた曲と言えるのではと思っています。平和になった世界でどうやって生きていくか。それはそれで、また別の戦いが始まるわけで、運命の女神に祈ってみたり、負けん気強く臨んでみたりしつつ、自分の道はこれしかないと決心する。『Jewelry Wonderland』は、想像の力を巡る物語第二部のオープニングなのです。あと「そっと指を噛んで考えて」からのダンスだいすき。というかこの曲のダンス全部すき。新章のBDを見よう。

 

〔お楽しみコーナー〕

 最初の約30分でこれだけ幻想的で濃密な空間を展開しておいて、唐突にコントと大喜利を始めるところ、嫌いじゃない。大阪ということで吉岡さん主宰で行われました。二日ともに午前がコント、午後が大喜利といった構成で、コントについては1stツアー大阪公演の復刻版とのこと。吉岡さんの「当時の公演に来てた人~?」との問いかけに反応されている方も一定数おられ感動。皆さまのような黎明期を支えてきた方々のおかげで、今私のような新参も同じ時間を過ごせているわけでありますから、この場を借りて厚く御礼申し上げる次第です。ありがとうございます。

 

 最初に6人が捌け、準備ができるまでの間吉岡さんが一人で場を繋いでいたのですが、ここの吉岡さん、動きと口調が芝居がかっており、一人舞台という感じで非常によかった。役者だなあ。

 

(コント)こんなコンビニは嫌だ

ミナミの帝王に反応して机から顔を出す田中さんすき。というか、ああいう「えっ?」みたいな顔するときの田中さんだいすき。

・ギャル(死語)なんだか何なんだかよくわからない高木さんすき。他の店員のアクが強いために、相対的に現実にいそうなキャラクタになっているところすき。

・好きなアイスの味はシャンプー味と断言する山下さん扮するオタクすき。散々おちょくった挙げ句、終わりに「このキャラクタはこういう人もいるよねってだけだからみんな傷つかないでね!」って笑顔でフォローする優しさ溢れる山下さんもすきだし、「現実にこういう人もいる」という認識であることを隠さないところもすき。

・「働き方改革」をおしてくる奥野さんすき。シャッフルタイムでヲタ芸をする田中さんを下から崇めるところもすき。楽しそう。

・山下さんとキャラ被ってる青山さんすき。山下さんのオタクが強すぎるせいで、「山下さんが青山さんとキャラ被ってる」とは言われない感じなところすき。

・こういうとき率先してカワイイキャラになる永野さんすき。「色が似てるからキャラが被ってる」と言う青山さんに対して、「これで5年やってきてんだよ」と強く反論するところすき。

・健気に突っ込み続ける吉岡さんすき。その姿に若干はねるのトびらを思い出した。ともあれ、1対6でボケられ続けるのはもはや暴力である。

 

大喜利

・初耳でしたが、ゴミ山クズ能ってこれを機にまた色々アレンジして使われ始めそう。語呂が良すぎる。

・メンバー同士のディスりあいを見るのって何で楽しいんだろう。

・奥野さんから始まった、自分の冠番組(コンテンツ)を宣伝する流れ、皆そうやって言えるものがあるということが嬉しく思われる。それぞれの番組ファンから歓声が上がるところ、ファン層にも違いがあることが何となく分かり面白い。ずーぱらは濃い(偏見)。水曜FIVE STARSは裾野が広い(イメージ)。

・二日通して奥野さん大活躍。「ハリウッド版WUGにありそうなこと」とのお題に対する「早坂さんがゲイ」との答えに、会場が文字通りザワつく。加えて、「WUGのバラエティ番組における人気コーナーとは」に対して、「かやたんとななみんが教えるガチ恋向上委員会」(視聴者参加型番組)と答え、またもワグナーを沸かせる。なお、いまいちどういう趣旨の番組なのかはよく分かっていない。ところで偏見ですけど、奥野さんと山下さんファンにはガチ恋勢多そうですよね。偏見ですけど。

・ちらっと見えた永野さんの「真の子供」という文字。どんな番組だ。最チルを決めるのか。

・「どこかで今日出た番組っぽい企画がなされたら、今日のやつが使われたんだなと思ってください」って言うもんだから、そういうものを披露する機会がまだあると期待していいんですね吉岡さん。

 

〔吉岡さんソロコーナーからの〕

 相変わらず『Non stop diamond hope』は最初のクラップしかり途中の名前コールしかり楽しい部分が多く、『光塚歌劇団』もまゆよぴ勢には垂涎ものだったと思いますが、今回は『sweet sweet place』と『同じ夢を見てる』が非常に趣深かったので、これらに焦点を当てたいと思います。

 

 『sweet sweet place』は東北ろっけんツアーで歌われたという事実を知っているのみで、当然ながら聞いたことがなく、とはいえ前々から「披露したい」と吉岡さん自身仰っていたので、あるとしたら今回かなあと思いつつ、一日目昼にはなかったものですから、さてどうかなと思っていたら夜にドン。とにかくやっと聴けた。ああ嬉しい。

 

 一日目に学習したことにより、二日目の夜には私を含めワグナーの声も大きくなった印象。皆からの全力の「おかえり」に対し、吉岡さんが大阪弁で「ただいま」と返してくれたとき、本当に帰ってきてくれてありがとうと、心の底から思いました。こういうところ上手いよなあ。再結成ライブの一曲目はこれにしましょう(気が早い)。

 

 『同じ夢を見てる』は二日目の昼・夜を通して演じられました。ソロ一曲目(”Non stop diamond hope” or “sweet sweet place” )からの続きで歌われるため、最初ステージ上には吉岡さん一人なのですが、「思い出のヴェール」から青山さんが現れたのを皮切りに、一人ずつメンバーが登場し、Aサビ以降は七人でという演出。このときの客席がとても綺麗でした。是非とも、2・3階席の方は少し下方向にも目を向けていただきたい。

 

 というのも、吉岡さんソロの後なので、最初客席は一面赤色なんですよ。そして、一人メンバーが現れるたびに、ペンライトの色を変える人がいるんですね。次々とメンバーに合わせて変える人もいれば、自分の推しが出てきた時点で固定する人もいる。そして、Aサビに入るときには、最初一面赤色だった客席が、色とりどりの光景に変わっているんです。この多様性の素晴らしさ。WUGちゃんは個性の塊、でもワグナーさんも個性の塊。世の中のCSR・人事担当の皆さん。ダイバーシティの本質、ここにあります。

 

〔リーディングライブと『Polaris』〕

 少なくとも大阪公演はこの時間のためにあったと言っても過言ではないと思っています。やっぱり、なんぼ言うたかてWUGちゃんの本分は役者だと思うんですよ。感情を載せて何かを伝えるということ。それも想像の力を発揮するということであり、一つの魔法に違いありません。

 

 「Polaris制作時の実話をキャラクタに扮して伝える(脚本:吉岡茉祐)」との根っこは同じくして、昼の部は少しコメディチック、夜の部はよりシリアスに。特に夜の部は実際の歌詞の内容をどうするのか、歌割りをどうするのか、時間がない中でいかにして決断したのか、その一場面を覗かせてもらえました。

 

 反則的だったのは二日目夜の青山さん。「波」という言葉を使おうか迷う吉岡さんに対して、「まゆしぃのやりたいようにやればいいと思う」とここまでは台本通りだったのですが、そこに「まゆしぃがどれだけWUGのことが大好きで、どれだけWUGのことを考えているか知っているし、ワグナーさんも私もそんなまゆしぃが大好きだから、やりたいようにやればいいと思うよ」とのアドリブが加えられ、もうこういう「信頼」とか「友情」とかにひたすら弱くなっている私はもう涙がダバダバ。これに対する、吉岡さんの優しい「頑張るね」も胸打つものがありました。

 

 こんなものを見せられた後、間を開けずに『Polaris』ってもうどんな顔で曲を聴けと言うのでしょうか。WUGというユニットはこれからも私にとってのPolarisであり続けるでしょう。

 

〔Memories映像〕

 みんなかわいい。

 スクリーンが降りてきた瞬間、Part1みたいな泣きの映像かと思って身構えましたが、全くそんなことはなかった。嫌だなあもう、FANTASIAなのにそんな映像流すわけないじゃないですか。人を疑うのはやめよう。

 

 ファンミ(カルッツ川崎)の映像には心躍りました。自分もここにいたんだなあという感覚。5thのBDが出た暁には、この感覚に浸り続けることができるんでしょうね。今から楽しみです。寂しくもあるけど。このときの音楽が非常にオシャレだったので、曲名ご存知の方は是非とも教えてください(2回目)。

 

〔ラストスパート〕

7 Girls War

 映像が終わると、衣装を変えた7人が登場し『7 Girls War』がスタート。ファンミで「今回のツアーではやっていませんが」と吉岡さんが言及していたのはこれの布石だったか。やっぱり盛り上がりますわ。ただただ楽しい。ところで、そこまでは各々が多数説と少数説をぶつけ合っているのに、「のびしろにょきにょきみゅーちゃん」だけはワグナー諸氏のほぼ統一見解である点、いつも笑ってしまいます。あとかやたんパートの後一瞬訪れる静寂もギャップがあっていいですね。

 

 今回の「涙ファー」ガチャは2/4でした? ファンミでみんなしてファーファー言い続けた影響もあるのか、「悔しさに耐える時もある」ぐらいから「来るのか? 来ないのか?」みたいな妙な期待と緊張感に強く会場が包まれるようになった気がします。めっちゃ盛り上がるのも事実なんですが、希少性も持っておいてほしいので、今後は1会場1回ぐらいのペースでファーしていただけると嬉しい(ややこしい)。

 

Beyond the Bottom

 ここまで演出がどうこう言ってきましたが、それを語るのであればアンコール前ラストの曲である『Beyond the Bottom』は外せません。サビ部分でメインの照明が落ち、WUGちゃんたちのシルエットだけが視認できる(動きは分かる)ような状態になるのですが、幻想的かつ神々しいことこの上ない。見えないことで、よりはっきりと見えるようになるといいますか、WUGちゃんたちの姿がむしろ際立つといいますか、相反する要素であるにもかかわらず邪魔にならない。これはとても不思議で、FANTASIAの名を冠した舞台のEDにふさわしいステージだったと思います。

 

 終わり方も夢想的で、気がついたらステージ上に誰もおらず、客席(私)だけが夢の中に取り残されてしまったかのような感覚。いつもなら一瞬で始まるWake Up, Girls!コールも、今回ばかりはそうもいきませんでした(2回目からはいつも通りとなりましたが)。

 

〔アンコール〕

○セブンティーン・クライシス

 初めてフォーメーションで何の曲か分かりました。しかし7人だとは思わなかった……アンコールは7人での『セブンティーン・クライシス』で始まりました。てっきりセブンティーン・クライシス→プラチナ・サンライズの流れかと思ったのですが、アンコールでそんなことやらんわな。遅れてそそくさと加わる、もやごぼの隠しキャラ感。思い返せば市原公演で「7人でやりたいねー」みたいなことを言っていた気がするので、WUGちゃんの発言には本当気が抜けない。あらゆることが布石になるというか、純粋にやりたいと思うことをやっていることなのでしょうが、その調子で最後までやりきってもらいたいと思います。

 

○ハートライン

 ハートラインのダンス可愛すぎ問題。振り付けとの相性がいいのか、上段・下段に分かれて踊る姿がとても美しい。通常上段・下段に分かれると、演者同士の距離が空いてしまうことから、舞台を大きく使っているのにもかかわらず、動きのダイナミックさに欠けてしまうように感じるのですが、この曲はむしろ間隔が広がることで纏まりが生じているように感じました。2・3階から見てほしい曲の一つ。Part1から言い続けていますが、映像化する際は是非とも真正面からの定点カメラをお願いします(難しいかなあ…)。

 

 この曲にそこまで詳しくなかったので、見よう見まねでコールをしていたのですが、二日目夜のよっぴーコールに驚いた顔をする吉岡さんを見て、このコールが公演を通じて完成したものであることに気づきました。そうだったのね。

 

〔MCもろもろ(どこのタイミングだったかは定かではない)〕

 ・永野さんの言葉はいつも私を惑わせます。「Part2、Part3、そしてそれが終わった後のイベントとかでも」ってなんですか! 期待してていいんですか!! 青山さんも心なしか「えっ」って顔してましたよ!!! よろしくお願いします!!!!

 ・青山さんのMC中「えー」とか「あー」とか言わず、句読点で明確に文を区切って話される点はいつも尊敬するんですが、すらすら喋りすぎて逆にまとまらなくなっているのではないか。

 ・二日目夜の部、ワグナーから突発的に発声練習(「あめんぼあかいなあいうえお」)の実施(昼の部に皆でやったため)を求められ、「そんな尺がないんだよ!」と言いつつ、リーダーとしてどうするか悩む青山さん。進行が滞りそうな気配を感じ取った高木さんが即座に「みゅーちゃんだいすきまみむめも!」と切り込み、やはり伸び代の塊であることを証明。そこから流れを察知し、間髪入れずに山下さん・田中さんが続くところも流石。嫌がる吉岡さんにも演者・観客一致団結で要求。おそらく責任感から流れを修正し、次の曲に行こうとした永野さんにはワグナーから抗議の嵐(結局やる)。ノリノリの奥野さん。楽しそうな青山さん。笑顔のワグナー。これが今のWake Up, Girls!なんですね。この場にいられてよかった。そしてスタッフに対する感謝と賞賛を忘れない姿勢。この日、みんなで同じ夢を見れたのは皆さんのおかげです。ありがとうございます。

 

〔新曲の作曲家陣〕

 神

 

〔私はFANTASIAに何を見たか〕

 WUGちゃんとワグナーが同じ夢を見てきて、見ていて、見ていくことをお互いに再確認をする機会だったのではないか、とライブ中『同じ夢をみてる』を聞いているときに思いました。(曲のバックグラウンドも文脈も考慮せず、一部分だけ取り出して話すというのはあまりよろしくないとも思いつつ)

同じ夢を見てる

大事なあなたが

誰より幸せになれるのならば

 

同じ道がいつか

別れてもかまわない

きっとまた夢で逢えるから

 改めて、『Wake Up, Girls!』というコンテンツは今後も続いていく、ということが全てだと思うのです。皆で一緒に歩んできた道は別れてしまうわけですが、結論それでWUGちゃんが幸せになれるのであれば構わないですし、その一方WUGという夢を通じてきっとまた逢えると私は信じています。頑張れ81プロデュース。頑張れエイベックス。目指せサクラ大戦

 

 さて、次は青葉の軌跡発売イベント。正直2回同じBDを見るってどんな感じなんだろうかと思いますが、深く考えずに参ります。また東京でお会いしましょう。それまで皆さまなにとぞお元気で。なお、ナナシスには行きません。

 

〔その他どうでもいいこと〕

・関係者面ができる席として認知されたためか、バルコニー席の観客はみなさん、それこそ関係者らしく静かで穏やかだった。

・1Fバルコニー席は、実質会場前方の席と同位置で、かつほぼステージと高さが同じであり、さらには舞台上・観客席すべてを横からから見渡すことができるため、今回のような構成では非常に鑑賞に適した席と言える。病みつきになる。

・横から見ていてよく分かったが、メンバーが客席通路を通るとき、本当に誰も手を伸ばそうとしないところ、素晴らしいと思った。

・たまに苦悶に満ちた表情で曲を聴いている人がいるが、どういう心境なのか煽りではなく気になる。

・他会場ではどうだったか知らないが、浪切ホールでは通路上に落ちたテープをスタッフの方が拾い上げ、テープが届かない列まで持ってきてくれるというホスピタリティ溢れるサービスを実施されていた。私もそれにあやかった。ありがとうございました。

・会場近くのコープ岸和田では、レジ担当が鮮やかなオレンジのエプロンと三角巾を巻いており、実質みゅーちゃんのホームだった。みゅーちゃんタオルを頭に巻いたワグナーさんとの共演が面白かった。

浪切ホールは客席の足元が広い、ステージが近い、トイレが広くてきれい、商業施設が近い、駅からそんなに遠くないと素晴らしい会場だった。

・Clockはとりあえず田中さん分を予約しましたが、気がついたら全員分注文しているかもしれない。

JR西日本でもPiTaPaが使えるようになったらしい。ポストペイがなぜ流行らないのか、いつも疑問である。