死に物狂い

他人から影響を受けやすい人間のフィクション日記

門出の扉が今開く―Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -~ PART Ⅲ KADODE ~ 熊本公演に行ってきました―

 ついに始まってしまったという感覚よりかは、無事に始まってよかったとの気持ちを強く持っています。Part1で猛然と加速し、Part2で夢の世界を作り上げたWUGちゃんたちは、どのようにして門出の扉を開くのか。というわけで、1/5(土)に開催された『Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -~ PART Ⅲ KADODE ~』の熊本公演(昼・夜)に参加してきました。

 前日に熊本県内で地震が生じるというめぐり合わせ。ライブへの期待と、どうか何事もなく進んでほしいとの思いを胸に行ってまいりました。例のごとくライブ内容のネタバレ、およびライブ自体には関連のない諸々の感想等を含み、網羅しているわけでもないのに無駄に長いので(10000字程度)、お読みいただける方は予めご了承いただけますと幸いです。

 

熊本へ行く

 帰省(西)→出社(東)→ライブ(西)と新年早々無駄に無駄を重ねる行程とならざるをえなかったことに対し、心の中で弊社へ文句を言いつつ、4日夜にひとまず博多まで向かいました。大阪以西に行くのは数年ぶりのこと。長い乗車時間は気分を高めるのにうってつけであり、一体熊本で何を見られるのだろうとうきうきして乗っていましたら、気づかぬ内に関門海峡を渡り、九州に足を踏み入れていました、

 翌日は人生初の九州新幹線! これはすごい。グリーンでもないのにシートは広くてふかふか。本州を走る新幹線が人の輸送効率を第一に考えた代物であるならば、こちらは観光に全力を振ったような様相で、この車輌で全国繋げればいいのにと心底思いました。四国新幹線が開通するときも是非これでお願いします。

 

熊本に降り立つ

 自分自身には縁も所縁もない土地であるにもかかわらず、そこに来ただけでどこか郷愁に似た感動を覚えてしまうのはきっと不自然なことでしょう。しかしながら、高木さんが仰っていたように、私はなぜか「帰ってきたな」という感覚に陥りました。何も知らないのにね。

 だからそれはやっぱり郷愁ではなく感動なのでしょう。盛岡のときと同じ、「この地で青山さんは生まれ育ったのか」という実感のない実感。この地が、この空気が今の青山さんのベースを作り上げたのかという感覚。そう考えるだけでワクワクする。目に入るあらゆるものが魅力的に見える。歩くだけで楽しい。変な話ではありますが、巨大なくまモンを写真に収めつつ、ニコニコしながら駅を出ました。

 

会場に向かう

 街のシンボルの一つと言える市電に乗って、本日の会場であるシアーズ夢ホールへ。何だ夢ホールって。車内表示において、使用できるICカード一覧にPiTaPaが明記されていることにチーム西日本感を覚えました。(しかし使うのはICOCA

 市電は車輌によっては装丁が凝っていたり、夜には電飾で輝いていたりと、それ自体が一つの観光資源になっています。道を歩いているときにふと横にガタガタと駆け抜けていく市電を見るのは楽しい。角度のついたS字カーブに体は揺らされつつ、最寄り駅の花畑町駅に到着。会場では既に長蛇の列がうねり広がっていました。スペース的な問題からより一層長く見えたところはありますが、勝手ながら物販列の長さは公演に対する熱量に比例するところもあるように思う自分としては、ワグナーさんたちの熊本公演にかける想いを感じずにはいられませんでした。また、物販列横ではフラスタの運搬車が出入りしていたり、会場スタッフさんたちが集団で会場内に入っていったりと、まさに現在進行系で設営がなされている様子が伺え、非常にライブ感がありました。結果的に物販開始が前倒しされたところを見ますと、急いで用意をしていただいたのかなと言うところです。おつかれさまでした。

 と言いつつ15,000円のプレートガチャも(ひとまず)ウインドブレーカーにもそこまで積極的な意欲を持っていなかった私は、「まあ後からでも諸々残ってるやろ~」ととりあえず隣接する熊本城に行くことにしました。いや、まさか会場限定リボンチャームとステッカーが完売するとはね……。

 

熊本城を歩く

 本来であれば城内を歩くこともできるようですが、震災の影響で基本的にお城の外周を回るような格好。とはいえ敷地が広く上り坂もあるため、一周に30分以上はかかります。

 一部の櫓を除き、震災の被害は未だはっきりと見て取れる状況でした。特に石垣の被害は大きく、こんな風に崩れてしまうものなんだなと率直にショックを受けました。文字通りの崩落。復旧の方針としては、この状態から崩落した石一つ一つに番号を振り、元に積まれていた場所に積み戻していくということらしく、(そうした方が復旧が容易になるとのことですが)それは気が遠くなる話だなあと思いつつ、そうすることで作業が完了したときにはまさしく当時の熊本城の姿に戻るわけですね。

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 一方、地震の爪痕が残るお城の横には「二の丸広場」という平面の広い公園があり、そこでは太極拳やら、フットサルやら、ひたすら笑うメソッドを実践している集団やら、延々ランニングを続ける陸上部まで、市民の方々が様々に休日を過ごされていました。少なくとも、そこにおいては日常が戻ってきているのであり、その情景を見て私は、熊本城も間違いなく元の姿に戻れるのだろうと強い確信を覚えた次第です。

 また、復旧工事中の天守閣は非常にロボット感があり、今にも変形しだしそうな風体で不謹慎ながら格好良かったです。(どこかレゴブロック感もある)f:id:sorobanya:20190107225319j:plain

 お城の敷地内にはには加藤神社、熊本大神宮、熊本城稲荷神社と3ヶ所の神社があり、この日だけで一体何人のワグナーがライブの安全やらWUGちゃんたちの発展やらを祈っただろうかと少し想いを馳せました。*1

 余談ですが、加藤神社・熊本大神宮のおみくじはやたらと種類が多くアトラクション感が強かったです。何を引けば良いんだ。

 さらに余談ですが、おみやげコーナー兼食事処である城彩苑のトイレは非常に綺麗で、かつウォシュレット便座を設置しているというところで、胃腸弱人間には大変助かる仕様になっています。これだけで私はもう熊本城が大好きになりました。

 なお、帰宅してから知ったのですが、熊本城には一口一万円から支援が可能な「復興城主」という制度があるようです。ふるさと納税としてもできるようなので、社会人ワグナーのみなさんは一口いかがでしょうか。(10口やると感謝状がもらえるらしい)

 

入場

 リボンチャームとステッカー売り切れの表示に悲しみを覚えつつ入場。青色で溢れた空間に青山さんファンへの賛辞を送りつつ、単独で七名分のフラスタを出されている方に驚愕。そりゃ驚くよ。この方をすごいなあと思ったのは、WUGちゃん宛にもお花を出されているところです。全方位カバー。SSAではどのような光景を見られるのだろうと勝手に期待しております。(よくない)

 今回の会場である熊本市民会館は、近時の会場と比べると少し小さめ。席も1階・2階とシンプルな構成で、かつ2階席も前方に張り出している形のため、全体がギュッと詰まっている感じです。これまでの会場あったような横方向の通路がないため、客席に降りてくる演出はないかもなと思っていました。杞憂でした。

 

門出とは

 やたら早くから会場の時刻表示が消えていたので、何かあるんだろうかと思っていたところ、片山実波と七瀬佳乃と青山吉能による前説が始まりました。何やそれ。

 全体を通してコミカルなのですが、話している内容はPart3の趣旨を明快に説明するもので、かつ青山さん(と他メンバーの)想いが乗っている非常に趣深いものだったと思っています*2。佳乃は「今回のように、もっと早く皆に熊本の良さを伝えられたらよかったのになあ…」と、どこか後悔を滲ませて呟くのですが、それに対して実波は明るく「今からでも遅くないよ! これからやればいいんだよ!」と勇気づけます。そして、こう続けるのです。「(この門出で現れる扉は)終わりのために閉じる扉じゃなくて、新たな一歩を踏み出すために開ける扉なんだよ!」 Part3は何かを終わらせるために始めるものではない。そう力強くはっきりと宣言する言葉だったのかなと思っています。

 と、そう言うからには、Part3はとにかく楽しさ全開でいくんだろうなと思った矢先、前説ラストの青山さんの言葉には胸に来るものがありました。「美味しいものいっぱい食べて、熊本の空気いーっぱい吸って、今日という日の一分一秒をいつまでも忘れないでね」なんてことを、どこぞのドラえもんのような口調で言うのです*3。その声からは優しさが溢れ出ていて、あえてそのトーンで言うところに「ズルいなあ」と思わずにはいられなかったのですが、WUGがなければ熊本に赴こうと思うこともなかったであろうとの個人的な感情も併せ、この時間を脳に焼き付けて帰ろうと強く思いました。

〔大田さん〕
 Part1の衝撃再び。とは言いすぎかもしれませんが、3人の前説後大田さんの声が会場に響き渡ります。圧がすごい。熱もすごい。笑い声と歓声を上げるワグナー。なんというか、実際に近くに居るんじゃないかっていう感覚になるんですよね。声の力ってすごいなあ。

 客席にレスポンスが求める場面があり、その際に客席から声が上がる瞬間とタイミングを合わせてしっかり客電が点くという演出にはほっこりしました。(Part1はどうだったかしら)

 円陣を組んでいるであろうWUGちゃんたちの声が聴こえ、いよいよ始まるぞという心持ち。なぜかこちらも緊張する。「WUGちゃんのすべてを見届ける責任」を果たすべく、大田さん含むワグナーは準備完了。開演の時を待ちました。

 

開演

 「Part3には原点回帰の部分がある」とMCで吉岡さんが仰っていましたが、それは過去の1stから4thまでを振り返ることに加え、Part1・2の改良という意味も含んでいるのかなと感じる公演でした。言い換えれば、5thの集大成を作り上げていくという感覚でしょうか。Part1・2でも歌った曲がセトリに入っているからそう思うのかもしれませんが、同じ曲でもアンコールでやるのかそうでないのか、客席に降りる演出を交えるのか交えないのか、ステージ2階を使うのか使わないのかといった点で全く別のものに感じられ、全編を通して表現の幅の広さを感じさせられる公演だったと感じています。

少女交響曲

 Part2ラストを頭に持ってくるとは思っておらず驚くとともに、Part2の情景がフラッシュバックしました。2週間前に覚めた夢をまた見ているような、あるいは、あの夢から覚めた時点からの続きであることを示されているような、換言すれば、目を覚ましてここから門出の道を歩んでいくんだよということを言われているように感じました。なお、テープは発射されない(一回目)。

 そんな面倒くさい解釈はさておくとしても、Part2からの連続性を感じさせる意味はあったのではないかと思っていますが、単に青春の影に関して次の曲との合わせ技一本な気もします。

〔素顔でKISS ME〕
 市原のリハーサル以来ですよね! 生でこの曲のダンスを見られてとても満足です。イントロ・間奏各所のターンが好き。「素顔で~」の「す」が好き。五階の階段駆け上がる田中さんが好き。ヒールを投げつける田中さんが好き。ハードルが高すぎるところの手のフリが好き。巡り巡るフォーメーションを上から見られて幸せでした。(恒例)

〔新旧OP&ED〕
 昼の部は7 Girls War言の葉 青葉、夜の部は7 Senses雫の冠が二曲続きました。『7GW』と『雫の冠』を聞いてPart2全体を思い出し、『言の葉 青葉』で盛岡を思い出し、『7 Senses』でPart1を思い出し、と、このパートは全体的に脳内がややこしかった。なお、テープは発射されない(二回目)。『7 Senses』では青山さんが暴走した結果、相変わらず『U.S.A』が踊られ、アンコールのときのやりたい放題感が懐かしく思い起こされました。いつだったかの高木さんの顔が忘れらない。

僕らのフロンティア
「このフォーメーションは!?」

 そうです、『僕らのフロンティア』です。私はね、一度でいいから僕フロ衣装で歌われる僕フロを見たいんだ。多分大阪はそうなると思います。(願望) 一番かわいい衣装ですよあれは。

〔恋?で愛?で暴君です!〕
 ずっとクラップしていたい。

 

故郷に別れを告げるということ

 昼夜通じて、青山さん・山下さん・吉岡さんの三名(「チーム西日本」)によって歌われた『カケル×カケル』は尋常ではない盛り上がりを見せましたが、それでも"青山吉能"さんによる『わたしの樹』が本公演の核となる存在であったことは言うまでもありません*4。この点あえて峻別すれば、昼の部は『カケル×カケル』が、反対に夜の部は『わたしの樹』がメインとして据えられていたように思っています。

 夜の部では『カケル×カケル』が歌われた後、ステージ上に一人残された青山さんがワグナーに向けた手紙を朗読されました。ただ、これは純粋にワグナー宛というわけではなく、自身のご家族、そして故郷に向けた想いを多分に含んだものであったと感じています。

 公演の始まりにおいては、佳乃を介して「熊本のいいところをもっと早く紹介したかった」と言っていた青山さんですが、過去にはその自慢の故郷をいかに嫌っていたか。その土地の生まれであることをどれほどに呪ったか。さらには、家族に対して厳しい言葉を放ったかを赤裸々に語られ、そのような自分を嫌悪し、後悔しつつ、そこを乗り越えた今、あらためて故郷と家族に感謝を述べられる内容だったと認識しています。

 一傍観者的に見て、そこに綴られていたのは多感な時期を芸の道に費やした等身大の少女の姿であり、かつ人間の姿でした。しかし、それが一つの幻想空間であるはずのステージ上から語られるところ、しかも演出や歌を介するのではなく*5、純粋に言葉のみで伝えられたところに、私は言いようのない感動を覚えたのです。

 そして、青山さんがこの日このようなメッセージを故郷に伝えることができたのは、青山さん自身が故郷に別れを告げ、今まさに憧れに向かって駆け抜けているからであります。永野さんが仰るように、歴史は変えられない。ひどく情けない自分もいたかもしれない。しかし、一つ一扉を開き、山を乗り越えてきた。そうして、今の青山さんが居て、今なお前に進み続けている。それってとても素晴らしく、幸せなことじゃないでしょうか。

 加えて、今の青山さんご自身がPart3の趣旨を体現されているようにも思うわけです。故郷を発つこともまた一つの門出ではありますが、それは故郷を捨てるということではない。単に一つの区切りでしかなく、またこうやって帰ってくることができる。その一歩は何かを諦める一歩ではなく、新しい何かを掴み取るための一歩であるのです。

 

わたしの樹

 そんな現在の青山吉能さんが歌うからこそ、熊本の映像を背にした『わたしの樹』が持つ力はこの上ないものになるのでしょう。青山さんの歌声は本当に力強く、迷いがありません。この時間はきっと、故郷から与えられたものを少しでも返そうとしていた時間。

贈りたいのは 願いごとひとつ
しあわせでいてくれますように
たくさんじゃない
ひとつでいいから
選んだ願い きっと
実らせてゆこう

 その願いはもう実っているように思いますけれども、青山さんのことですからそれに満足せず、一つと言わずにこれからもずっと実らせていくのでしょう。

 

〔それは七人共通の想いであるか〕

 程度はどうあれ、仕事に対する苦労があったのは7人共通であり、故郷に対する想いもまた同じでありましょう。ラストでステージ2階に6人が現れ全員で歌い始めるのは、盛岡公演と同じく、全員の想いの現れであるように思います。とかく私はこの「途中から7人になる」演出に弱いようで、この日もぼこぼこにやられました。正直ズルいと思う。

 また、二階の6人は皆基本的に正面に目を向けているのですが、夜の部の吉岡さんだけはずっと青山さんの方をじっと見ていたように見受けられ、単なる見間違いの可能性を捨て置くならば、その時の感情ははたしてどのようなものだったのでしょうかと、考えずにはいられません。見守っていたのかな。

 

〔応援の表現〕

 夜の部では、歌唱中、青山さんが涙によって声を詰まらせる場面があり、客席から2,3の「頑張れ!」という声が上がった後、しかしそれが連なることはなく、その代わり、自然発生的に静かに青色のペンライトが浮かび上がっていきました。あるいは、「もっともわぐらぶ愛してる」の『解放区』のときのように、代わりに歌っている方もおられましたね。

 個人的には、どう見ても頑張っている人に頑張れというのも変な話なので、こういう時は黙って見守るのが良いだろうと思っているのですが、それはそれとして行為で応援の意を示すという点で、ペンライトを用いるのは美しいなと感じました。

 と同時に、ふとPart2横須賀のリーディングライブにおける、まゆしぃに向けて一斉に赤色ペンライトを点灯するという流れを思い出しました。あの時はお笑いのムードであったわけですが、勝手ながらそこにツアーの連続性を感じてしまい、「いいなあ…」としんみりしました。いいですね、ほんとに。

 

クライマックスへ

〔HIGAWARI PRINCESS〕
 『わたしの樹』の熱唱が終わると、スクリーン上に青山さん成分に溢れる映像(過去の写真をまとめたスライドショー)が映し出され、最後の写真とともに「Today's Princess...」の文字が。あれしかないな、ということで新衣装に身を包み、ピーチ姫のごとく傘を持った7人がステージ上に現れ、『HIGAWARI PRINCESS』が始まりました。

 プリンセスの証は、素敵なステッキではなくピンク色の傘(他は白)。落ち着いた美しさを醸し出す7人は非常にお上品。これまでのヒガプリが「お転婆なお姫様」なら、今回は「おしとやかなお姫様」といった感じ。また、今までプリンセス以外は手ぶらだったと思うのですが、今回は7人全員が傘を持っているため、ダンスもその仕様になっており(要は全員がステッキを使えるとか傘を開くとか)、それも曲自体の雰囲気を変える要因になっているように思いました。でもバトンのようには使えないね。

 特に夜の部がそうでしたが、泣きながら歌った後に弾けんばかりの笑顔を振りまく青山さんの姿はまさにHAYAGAWARI。プロだなあ。

 

〔言葉の結晶〕

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 のっけからI-1感があったので「広川さんかな?」と思ったら広川さんでした。まーた難しい曲作って。

 曲はじめで鼓膜が支配され、直後のドラムで身体がやられ、繰り広げられるバチバチのダンスに目がやられ、途中の掛け合いと照明効果で心がゾワッとし、変拍子に惑わされ、唐突な無音にツッコミを入れ、最後でまた照明*6にやられました。してやられました。

 大阪公演でもこの曲をやるのであれば、ぜひともWUGちゃんたちの動きを見てほしい。身体がバッキバキのグニャんグニャんに動いているので、ひたすら楽しいです。こういう時はとりあえず永野さんを目で追ってしまう必然。Aメロ、下手側にて田中さん・永野さんコンビで踊る場面があると思いますが、ここが最高にぐにゃぐにゃなので是非とも見ていただきたい。といいますか、全部見ていただきたいです。WUGはMONACAの実験場だった?

〔タチアガレ!〕
 Part1のときに「途中で二階に行くの忘れる」と高木さんが言っていたのを思い出した。今回はスムーズ。落ちサビは結構ギリギリ。でもこれも成長ですね。

〔TUNAGO〕
 やっと繋がれた。

 

アンコール

Polaris
 全Partを通じてセトリに含まれている曲の一つであり、どのPartでも演じられ方が変わっていない曲の一つでしょうか。(調べてはいない) 仙台公演の時には全員が肩を組むようになっているのかなあ。 

〔地下鉄ラビリンス〕
 やっぱ地下鉄ラビリンスなんだよなあ。
 やっぱ地下鉄ラビリンスなんだよなあ。
 やっぱ地下鉄ラビリンスなんだよなあ。
 

 本公演唯一の客席侵攻曲。楽しい楽しい楽しい。以降の公演も同様なのであれば、それぞれの会場でどのように走り回るのかを考えるのも面白いですね。(大きめの会場だとかなりきつそうだから変えてくるんだろうか) 迫りくる山下さんにポニテをアピールする女性ワグナーがとても微笑ましかったです。

 

〔MC〕
 ツアーを通して最長と思われるMCは、メンバーから青山さんへの信頼がひしひしと感じられる非常に心地よい時間でした。

 ところで、私は近時においてはもはや概念と化し始めているように思われる田中美海さんが時折見せる人間らしい姿がとても好きなのですが、この日のMCはそんな田中さんが純に青山さんへの言葉を口にされており、とても良いものを見たなという気持ちでいっぱいです。

 途中のMCで青山さんが「今日の公演でひたすらにブーイングされる夢を見た」と語ったことや、あのような手紙を読まれたことに関して、田中さんは「自分だったら絶対にそんなこと他言しない(できない)」と言い切り、「(自分の弱さを見せられる青山さんは)とても強い人なんだ」と早口でまくしたてられたのです。

 「人前で弱さなんか見せてたまるか!」とはっきり口にできる田中さんの負けん気強さを心から尊敬しますが、そんな田中さんの青山さん評は非常に説得力があるものであり、さらに言えば他5人においても、各々が別々に青山さんの良いところを挙げていき、その姿(言葉が途切れない姿)を客席から見られたことが一人のファンとしてまず幸福でしたし、この時間がずっと続いてほしいと思うぐらいには永遠を願いました。*7人と人とが信頼し合う姿ってのはどうしてこうも美しいのでしょうね。*8

 そうしている内に奥野さんの番が終わり、吉岡さんに舞台中央に引きずり出されて青山さんの順番がやってきました。自分に対する想いを無尽蔵に受けたその時間をまた、いつも通り自分の手で終わらせにいく気持ちは知る由もありませんが、やはりいつも通りの笑顔と、いつも通りの口ぶりで大きな話になっていきました。

 一言で言えば「生きろ。」ともののけ姫よろしくなメッセージになると思いますが、毎度毎度やたらと「生き死に」に言及する青山さんのMCは、大げさに言えば人生の本質を捉えているようにも思います。「生まれてきてよかった」「生きててよかった」と言える人生が、結局一番幸せなのでしょう。また、「生まれて"きてくれ"てよかった」「生きて"くれて"てよかった」と誰かに言える人生もまた幸せなのです。そしてそれを当たり前と思ってはいけない。吉岡さんの言葉を借りれば、こういうことを素で狙わずに言えてしまうところが青山さんの強さであり、魅力なのでしょうね。

 言わずもがな、ベストMCは青山さんの「客電を点けろ! 客の顔が見えねえんだ!」(意訳)です。何だそれ。笑いながら瞬時に対応するPAさんたちもとっても素敵。素敵空間。

 

〔合唱〕
 主旋律を歌っていたのは山下さんだったように思うのですが、意外でした。(明確な理由はありません)

 

〔極上スマイル〕
 やっぱりこれだと思う(音量注意)

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〔終演後〕
 歓声に見送られた後、今度はスクリーン上に7人の姿が。公演前の準備風景が映し出されます。そして昼夜ともに最後には"Thank you!!!!!!! See you later!!!!!!!"の文字。熊本公演だけの演出でしょうか。しかし各公演舞に"See you later!!!!!!!"と言ってくれるなら何だかとても嬉しい気持ちになりますし、SSAで"See you again!!!!!!!"なんて出された日には私は泣きます。

〔プラチナ・サンライズ
 お願いします。

 

門出の扉は開かれた

 開かれた扉が閉じられることはありませんが、それを不安に思う必要はないのでしょう。門出の出発点である本公演から感じられたのは、相変わらずの前向きさと楽しさ、そして想いの強さ。なんとなくそれは、ワグナーも同じなのではないかと思われます。全員が一丸となって集大成を作り上げていく、そのためのとてもよいスタートが切れたのではないでしょうか。

 道中で感じるかもしれないふとした寂しさを無視する必要は全くないと思いますが、それすらも力に変えて作品を練り上げていく気概がここにはあると感じています。私たちは歩みを前に進めるのみ。最後まで張り切って参りたいと思います。

 とか言ってる内に来週は大阪です。5公演も何やるんだよと思わなくもないですが、再びの大阪で7人が何を見せてくれるのか期待を胸に、この5日間を過ごしたいと思います。皆さまにおかれましては何とぞお体ご自愛くださいますよう。また大阪でお会いできることを心より楽しみにしております。

 

 

その他

・前説で「熊本城」「○○」「阿蘇山」には行けと青山さんからお達しがあり、真ん中が聞きとれなかったが何となく「天草五橋」と聞こえた気がしたので無計画ながら帰りに渡ってきた。

熊本の空気を吸えるだけ吸った。

・辺りを一望したかったので千巌山展望台なるところへ行った。迷わないための目印だと思われるが、木にリボンが巻き付けられており、その色味から非常によぴまゆを感じた。


独り興奮した。

・フラっと阿蘇にも行きたかったが、震災の影響で未だ線路が途絶しているようで断念。今度は計画的に周りたいと思う。

・多くの人が大学で経験してそうなことを今になって追体験しているのかなと思わなくもない。

・I-1曲がないことも一つ特徴的ではあるでしょうか。(そのかわりに言葉の結晶?)

・blue-rayとblu-ray表記が入り交じるパワポ

・Part3も千穐楽だけが映像化されるのであれば、映像化されない新曲が出てくるのではないかと若干心配している。仙台では全曲やるんだろうか。もしくはSSAか。

あとで読みたい

・温泉むすめ始めるか…(よく知らんけど)

・言葉の結晶にはどこか絶対零度θノヴァティック臭を感じるだいすき  

・実際のところ「客電」などという言葉は初めて聞いた。ほんとに博識だよな皆さん。

*1:きっとその祈りはひとまず無事届いんじゃないでしょうか

*2:全編吉岡さんの脚本?

*3:よぴえもん。あるいはよしのモン

*4:個人的にはね

*5:独りで手紙を読むということもまた一つの演出ではあるのだが

*6:歌詞に合わせて一つの星が流れる

*7:やっぱり私は根本的に7人の会話が好きなんだろう。

*8:たとえそれが作られたものであっても